第14章 プロフェショナル・オプション

1.    プロフェショナル・オプション機能.. 14-3

複数会社のバックエンドDBの選択機能... 14-3

バックエンドDB名の形式... 14-4

バックエンドDBの選択... 14-5

本番用DB. 14-5

現在接続中のDB. 14-5

同一バージョン・同一改定レベルのみ表示... 14-5

同一ユーザ分のみ表示... 14-6

ユーザリスト... 14-6

会社番号... 14-6

複数の条件指定の場合... 14-7

バックエンドDBの選択と切り替え... 14-7

選択... 14-7

切り替え... 14-7

バックエンドDBの所有権... 14-7

バックエンドDBの生成・変更・削除... 14-8

会社番号... 14-8

DBの運用モードの設定... 14-8

本番用(モード)... 14-9

テスト用(モード)... 14-9

秘匿化(モード)... 14-9

無効化(モード)... 14-9

複写(生成)(ボタン)... 14-10

DB名生成(ボタン)と「複写実行」(ボタン)... 14-10

変更(名称・モード変更)(ボタン)... 14-10

DB名生成(ボタン)と「変更実行」(ボタン)... 14-10

削除(ボタン)... 14-10

 

 

「プロフェショナル・オプション」は、主に専門家(社会保険労務士、中小企業診断士、税理士、経営コンサルタントなど賃金決定に携わる方)が、ご利用になった場合を想定した機能で、複数の会社(標準で99999社)のデータを個別に記録・保管・管理することが容易にできる追加機能です。

また、特に専門家だけに限らず、普通の会社でも、子会社や関連会社など複数の会社の賃金データを個別に記録・保管・管理したい場合にも大変有用な機能です。

1.     プロフェショナル・オプション機能

「プロフェショナル・オプション機能」には、以下の項目と機能があります。

l       複数会社のバックエンドDBの選択機能

l       バックエンドDBの所有権限

l       バックエンドDBの生成・変更・削除

複数会社のバックエンドDBの選択機能

専門家は、その商売上の理由から、複数の顧客のデータを取扱います。これらのデータは、お互いに無関係な会社のものですので、本来は、別個に、独立したものとして記録・保管・管理がなされなければなりません。プロフェショナル・オプション機能は、この問題を解決します。

プロフェショナル・オプションがない場合でも、バックエンドDBのバックアップ用DBやテスト用DBなどに、個別の会社名をつけて管理すれば、それなりに、複数の会社を管理することは不可能ではありません。しかしながら、この方法は、ユーザ自身の運用責任と方法による、ファイル名の命名方式になります。本番用とテスト用の、ファイル名上の印の付け方なども、全てが、ユーザの個人的なやり方に依存することになります。

個人的な方法というのは、融通無碍であると同時に、その時々の気分で変わるなどの不首尾があります。また、専門家同士の場合は、同一事務所内で、データのやり取りをすることが珍しくありませんが、相互に同じ標準化をしたファイル名で交換しないと、データ識別をする上で、不統一が原因で混乱をきたすことにもなりかねません。

プロフェショナル・オプションでは、バックエンドDBのファイル名の命名方式が標準化されております。

ファイル名は全て、プロフェショナル・オプションが提供するファイル名の選択画面から選択し、必要に応じて複写・名前変更・削除を行います。ユーザが、この選択画面以外のWindowsなどの画面から、ファイル名を直接、操作することは避けて下さい。

バックエンドDB名の形式

バックエンドDBは、Windowsの一つのファイルから構成されています(システムによっては、複数のファイルから一つのDBが構成される場合もあります)。従って、ここでは、「バックエンドDB」と「ファイル」は、全く等価なものと解釈しても構いません。「バックエンドDB」とは、適用業務上・運用上の「業務データ」を意味する表現であり、「ファイル」とは、Windowsにおいて、コンピュータのハードディスクに格納してあるデータに、個別の名前を付けたものと考えて下さい。

バックエンドDBのファイル名の形式は次のようになります。

uuuuu#nnnnni@aaaaaaa_業務名v_m.ami

ここで、

uuuuu:ユーザID(サインオンID)で桁数は任意。
nnnnn:
会社番号。 番号の桁数は既定値で5桁。桁数の変更は可能。
x:
運用モード($:本番データ、%:秘匿データ、+:テストデータ、−:無効データ(廃棄の準備))
i:
会社番号の枝番。数字一桁。データのシミュレーション用複写やテストなどの場合に利用する。
aaaaaa:
会社名。桁数は任意。
業務名;例:「賃金決定」
:バージョン番号。数字一桁。
m:
改定レベル番号。数字一桁。
.ami:
 アミリンク社が提供するシステムの、バックエンドDBを意味するファイル・サフィックス

 

例1:koizumi#00120$2@徳川商事_賃金決定1_1.ami
koizumi
というサインオンIDが所有する、会社番号00120で、枝番が2の、徳川商事株式会社の本番用データ。当システムのバージョンは1で、改定レベルは1。

例1:haotyama#5050+1@叶D田食品_賃金決定1_2.ami
hatoyama
というサインオンIDが所有する、会社番号5050で、枝番が1の、株式会社織田食品のテストデータ。当システムのバージョンは1で、改定レベルは2。

例1:ishihara#007−8@渠レ弥呼_賃金決定2_.ami
ishihara
というサインオンIDが所有する、会社番号007で、枝番が8の、渠レ弥呼の無効データ。当システムのバージョンは2で、改定レベルは0。

バックエンドDBの選択

メインメニューにある「会社選択」(ボタン)を押すと、「会社選択」の画面を表示し、かつ、同時に、「SysDirList」(画面)で、当システムが接続できるバックエンドDBのいくつかを表示します。

導入当初は、当システムが配布した次の二つだけが表示されます。

1.業務名v_m.ami                     (例:賃金決定1_2)
2.Sample_業務名v_m.ami         (例:Sample_賃金決定2_0

導入当初に配布されたこれらバックエンドDBの名前の形式は、プロフェショナル・オプションが規定する形式にはなっていません

お客様が、プロフェショナル形式のバックエンドDBを生成するためには、上記1の
「業務名v_m.ami
のファイルを複写することで可能となります(後述)。新たに複写されたバックエンドDBは、プロフェショナル形式の名称に変換されます

本番用DB

SysDirList」(画面)に表示するプロフェショナル形式のバックエンドDBの内、本番モードのものは、「水色」の背景色で表示します。

現在接続中のDB

バックエンドDBの接続は一度に一つのDBだけが可能です。

現在接続中のバックエンドDB名は、その接頭に青色の「◎」(二重丸)を表示します。

同一バージョン・同一改定レベルのみ表示

「同一バージョン」や「同一改定レベル」の「同一」とは、当システム(自分自身(フロントエンドDB)のバージョン番号および改定レベル番号と同一)という意味です。

バージョン番号は、上記のバックエンドDB名の形式の説明において、シンボルとして表示する、「v」の部分で、改定レベル番号は同様に「m」の部分に相当します。

基本的に、フロントエンドDBと同一バージョンのバックエンドDBでないと、仮に無理に接続しても、正しく機能しません。従って、バージョンの違うバックエンドDBを表示する意味は、「それらの存在の確認」以外にはなく、接続を目的として表示することは事実上ありません。

そのような場合、バージョンが違うなどの不要なバックエンドDBを表示することは、視覚的に邪魔になります。こんな場合に、この「同一バージョン・同一改定レベルのみ表示」をチェックすることで、これらの不要なバックエンドDBを非表示にすることができます。

同一ユーザ分のみ表示

プロフェショナル・オプションでのバックエンドDBは、全てにその所有者の印としてのユーザIDがつきます。ここで、「ユーザID」は、「サインオンID」と同一になります。

プロフェショナル・オプションでは、同一ユーザ(自分の「サインオンID」と同一)以外のバックエンドDBは、接続も操作もできません。従って、同一ユーザ以外のバックエンドDBを表示することは、それらの存在を確認する以外にはありません。

その場合、自分の管轄外の不要なバックエンドDBが表示されることは、視覚的に邪魔になります。こんな場合に、この「同一ユーザ分のみ表示」をチェックすることで、これらの不要なバックエンドDBを非表示にすることができます。

ユーザリスト

ある特定のユーザID(サインオンID)のバックエンドDBを検索(存在を確認)する場合に、検索対象となるユーザIDをリスト状で指定することができます。ユーザリストは、複数のユーザIDをブランクで区切ることで複数のユーザを指定することができます。

ユーザIDを指定すると、そのユーザIDのついたバックエンドDBのみを表示し、その他のDBは非表示となります。

例:”koizumi  ishihara”
         
この場合は、ユーザIDが「koizumi」と「ishihara」のものだけを表示する。

会社番号

ある特定の会社のバックエンドDBを検索(存在を確認)する場合に、検索対象となる会社の会社番号をリスト状で指定することができます。会社番号は、複数の会社番号をブランクで区切ることで複数の会社を指定することができます。

会社番号を指定すると、その会社番号のついたバックエンドDBのみを表示し、その他のDBは非表示となります。

例:”5050 007”        この場合は会社番号が「5050」と「007」のものだけを表示する。

複数の条件指定の場合

上記の4つの検索条件、

l       「同一バージョン・同一改定レベルのみ表示」、

l       「同一ユーザ分のみ表示」、

l       「ユーザリスト」

l       「会社番号」

が同時に指定された場合は、これらの条件は、全て「AND」条件となり、全ての条件が同時に満たされたバックエンドDBだけを表示します。従って、これら条件要素が多すぎる場合は、その条件に合致するファイルが存在しなくなり、「何も表示されない」という事態が発生します。ユーザの中には、この表示情況を見て「全てのデータが消去された」ものと勘違いして「狼狽」する場合もありますので、ご注意願います。

バックエンドDBの選択と切り替え

選択

バックエンドDBを別の会社のものに切り替える場合は、「SysDirList」(画面)で、切り替える先のバックエンドDB名(ファイル名)にマウスポインターを当て、ダブルクリックします。

ダブルクリックされたファイル名は、「SisDirList」(画面)の「ファイル名」の入力域に転写されます。転写されたファイル名を確認した後、「実行」(ボタン)すると、「SysDirList」(画面)は終了し、選択したファイル名が「会社選択」(画面)の「対象ファイル名」に再度転写されます。

ここで、「接続」(ボタン)を押せば、バックエンドDBの「切り替え」になり、「バックエンドDBの生成・変更・削除」(オプション)を指定すると、バックエンドDBファイルの操作になります。

切り替え

SysDirList」(画面)で、バックエンドDBを選択した後は、「会社選択」(画面)にもどります。ここで「接続」(ボタン)を押すと、対象ファイル名に接続を行い、それまで接続されていたバックエンドDBは自動的に切り離され、結果として、バックエンドDBは切り替わります。

バックエンドDBの所有権

プロフェショナル形式のバックエンドDBには、「データ所有権」の考えが盛り込まれています。

データ所有権とは、ある特定のバックエンドDBの「管理上の所有権」で、英語では、「データ・オーナ」(Data Owner)と表現する概念です。この「所有権」は、決して法律上の所有権を意味する訳ではなく、あくまで、当システム上での、特定のデータに関する管理権限を意味します。

プロフェショナル形式のバックエンドDBの名称は、ユーザID(サインオンIDに同じ)から始まります。このユーザIDこそが、このバックエンドDBの所有者、ということになります。

全てのプロフェショナル形式のバックエンドDBは、その所有者であるユーザにしか使用可能とはなりません。他ユーザのバックエンドDBは、接続することも、また、複写、変更、削除することも出来ません。

従って、あるユーザが複数のサインオンIDを持っていると仮定し、そのユーザが最初にサインオンIDaaaaa」でサインオンして作成したバックエンドDBを、次に、別のサインオンIDbbbbb」でサインオンした場合は、使用できないことになります。

人物としては同一人物であっても、このようにサインオンIDが違う場合は、異なるユーザとして扱いますので、バックエンドDBは使用できないことになります。その点は留意願います。

バックエンドDBの生成・変更・削除

ユーザが所有するバックエンドDBに関しては、その生成(複写)・変更・削除ができます。他ユーザの所有するDBに対しては一切の操作はできません。

「会社選択」(画面)の中央近くにある「バックエンドDBの生成・変更・削除」(オプションボタン)を押すと、プロフェショナル形式のバックエンドDBの生成(複写)、変更(名称変更)、削除の画面を表示します。

会社番号

「複写」や「変更」をする場合は、「会社番号」(ボタン)を表示します。

会社番号の桁数の既定値は5桁ですが、「会社番号」(ボタン)を押すと、「会社番号の桁数」という入力要求画面を表示しますので、そこで桁数を変更することができます。

桁数を変更すると、「複写」の場合は複写先の、「変更」の場合は変更先の、バックエンドDB名の会社番号の桁数を変更できます。

DBの運用モードの設定

「複写」や「変更」をする場合は、「バックエンドDBの運用モード」(オプション・ボタン)を表示します。

「運用モード」とは、複写先および名称変更後のバックエンドDBを、「どの様に運用するか」を決めるモードです。運用モードには、以下の4種類があります。

(運用モードの違いによるバックエンドDB名の違いに関しては、上述の「バックエンドDB名の形式」を参照願います。)

本番用(モード)

このモードにすると、本番用の名称に変換します。

本番用にすると、当システムの画面全体が「グレー」になり、本番用であることをユーザに対して視覚的に知らせます。本番用は、一度には削除できません。削除するには、一旦、接続を切り離し、「無効モード」に変更する必要があります。

テスト用(モード)

このモードにすると、テスト用の名称に変換します。

テスト用にすると、当システムの画面全体が「緑」になり、テスト用であることをユーザに対して視覚的に知らせます。テスト用は、一度には削除できません。削除するには、一旦、接続を切り離し、「無効モード」に変更する必要があります。

秘匿化(モード)

秘匿化モードは、テストモードの一種です。

このモードにすると、秘匿用の名称に変換します。秘匿用モードとは、プライバシーの保護を目的に、バデータの内、個人を特定できる項目(名前、電話番号、住所、emailアドレスなど)を、乱数的な文字列に置き換えるための準備モードです。

このモードは単に秘匿化の「準備」をするだけで、実際の秘匿化の「実行」は行いません。一旦、秘匿モードにした後に、実際の秘匿化の「実行」が必要です。秘匿化の実行は、「システム保守」(メニュー画面)の「バックエンドDBの秘匿化」(ボタン)から実行します。

無効化(モード)

このモードにすると、バックエンドDBを「無効」状態にします。

バックエンドDBを「削除」するためには、一旦「無効」にする必要があります。

「無効状態」とは、要は「使用できない」(接続は不可能)という状態です。使用できないなら、存在する意味はないことになりますが、この無効状態は、「解除」することが可能です。テスト中に、ユーザが「もう使わない」と思った場合には、一旦「無効」にして下さい。そして、万一、「やはり、まだ使える」という場合は、無効を解除して再度使用することができます。

複写(生成)(ボタン)

新たなバックエンドDBを生成する場合、全くのゼロから生成するのではなく、「元ネタ」となる基準のバックエンドDBを複写することで行います。

複写元となる「元ネタ」のファイルは、「参照」(ボタン)から、前述に示した手順により、先に選択します。選択されたファイルは、「対象ファイル名」に表示されます。

「複写」(ボタン)を押すと、「会社番号」と「会社名」の入力域を表示します。特に指定がない限りは、複写元の「対象ファイル」の「会社番号」および「会社名」と同じになります。

複写先の会社番号および会社名を変更する場合は、この入力域で変更します。入力域を消去する場合は、「会社クリア」(ボタン)を押します。クリアされたり変更されたりした入力域に、複写元の会社番号および会社名を転写する場合は、「会社転写」(ボタン)を押します。

DB名生成(ボタン)と「複写実行」(ボタン)

複写ボタンを押し、複写先の会社番号および会社名を決め、運用モードを決定したら、「DB名生成」(ボタン)を押します。複写先のバックエンドDB名が生成されますので、それを確認した後に、「複写実行」(ボタン)を押して下さい。

複写が完了すると、その旨のメッセージを表示します。

変更(名称・モード変更)(ボタン)

バックエンドDBの会社番号や会社名、運用モードなどを変更します。

現在接続中のDBは変更できません。現在接続されていないDBだけが変更の対象となります。

DB名生成(ボタン)と「変更実行」(ボタン)

変更ボタンを押し、変更先の会社番号および会社名を決め、運用モードを決定したら、「DB名生成」(ボタン)を押します。変更先のバックエンドDB名が生成されますので、それを確認した後に、「変更実行」(ボタン)を押して下さい。

変更が完了すると、その旨のメッセージを表示します。

削除(ボタン)

バックエンドDBを削除します。

現在接続中のバックエンドDBは削除できません。

本番用DBおよびテスト用DBは削除できません。無効化されたDBだけが削除できます。

一旦削除したDBは、回復できませんので、注意願います