そもそも人財管理システムとは人を管理するものである以上、その管理を正確に迅速に合理的に行うために、ちょうど鉱物や生物の分類で、細かく分類すればするほど系統的な分析が容易になるのと同じ理由から、人を分類するための各種の属性や係数、特徴に関する多くの区分を設定します。
人の分類と言っても、人類学のように骨格や肌の色、DNAの構造などで分類したり、アパレル産業のマーケティングのように、身長や体重、色やデザインの好みで分類したりする訳ではないのは当然です。人財管理システムの最終目的は「適材適所」にあります。どの種の仕事にはどういう特性の人が適正であるかを知り、その為の評価システムを運用し必要コスト(賃金)を算出することにあります。
「らくちん社長-賃金決定」では、この「適材(適財)適所」の観点の他、組織の指揮系の管理と、社員と組織の法的関係などの観点を加味した、社員に関する分類を行い、より系統的に社員を評価できるよう工夫を致しました。その為に社員の各種の属性や特徴を区分するための各種区分コードを設け、これを事前に整備することで、その後の社員管理を容易にすることが出来ます。
「らくちん社長-賃金決定」で利用する各種の区分コードを次にリストします。
l 社員区分コード
l 職能格コード
l 職位コード
l 職種コード
l 部門機能コード
l 地区コード
l スキル、免許、資格手当コード
l 賞罰コード
l 異動コード
l 株主グループ・コード
l 株主区分コード
l 株主社員名簿
l その他基本コード
(ア) 家族コード
(イ) 学歴コード
(ウ) 障害者コード
(エ) 国籍コード
(オ) 言語コード
(カ) 住所区分コード
(キ) 姓名区分コード
(ク) 地域ID簿
「社員区分コード」は、「らくちん社長-賃金決定」において最も重要で影響力のある社員に関する区分コードです。基準内賃金やボーナス、退職条件など、社員の評価に関する重大な定義や係数類はこの社員区分で設定します。
「社員区分」は、当システムの説明個所によっては、馴染みのよい語感にするため「職務」とか「職制」という別の表現で置換える場合があります。
以下その詳細指定項目を説明します。
二桁の数字で、”00”から”99”までの数字を指定します。
社員区分コードに対する名称です。「契約社員(作業職)」や「正社員(総合職)」、「取締役(常勤)」などを標準で用意していますが、お客様の都合で変更することが出来ます。
社員区分の属性や特徴に関する簡潔な説明。
(「第3章 給与と賞与の計算」è「従業員および役員のカテゴライズ」è「社員区分の基本」è「給与形態」)を参照願います。
賃金水準の基本金額は社員区分で一義的に決まります。ただし、夜勤先任者の場合に限り、たとえ社員区分が同じ場合でも、夜勤専任者の給与水準を別建てで規定することが可能で、この場合に「夜勤者給与別建」(チェックボックス=On)にします。一般に夜勤専任は契約社員になる場合が多いのですが、その場合の「役員および契約社員基本金額」の登録で、普通の契約社員の標準的賃金ではなく、「夜勤者専用」の基本金額を設定する場合に利用します。
(「第3章 給与と賞与の計算」è「従業員および役員のカテゴライズ」è「社員区分の基本」è「正社員年齢学歴給対象」)を参照願います。
正社員年齢学歴給対象を支給する場合の、支給最低年齢を規定します。例えば18歳の社員に24歳以上が普通である「博士課程修了」の正社員年齢学歴給を支給するのは矛盾します。このような矛盾を事前にチェックするため規定します。お客様の都合で規定したくない場合は必要ありません。
当該社員区分に対して有効な学歴の限度を規定します。例えば、博士課程を修了した社員がいて、その社員の都合で「正社員一般職」以外の職務に着きたくない、という極端な場合を想定しますと、一般職の職務に対して「博士課程修了」の年齢学歴給の支給では「分不相応に高い」、ということになります。こういう場合に対処するため、各社員区分ごとの(職制別)年齢学歴給の支給基準に「学歴給限度学歴」を設けることで、「正社員一般職」の場合には、実際の学歴とは係りなく、例えば「短大卒」をいう限度学歴を設定することが出来ます。こうすることで、必要以上に高額な年齢学歴給を支給することがないようなシステムが構築できます。
(「第3章 給与と賞与の計算」è「従業員および役員のカテゴライズ」è「社員区分の基本」è「勤続給対象」)を参照願います。
勤続給の支給カーブを定義するための関数のモデル名称。この画面では表示のみで、入力はできません。「勤続給関数の定義」で指定(選択)したモデル名をここに自動転写します。
勤続給関数に関しては(「第3章 給与と賞与の計算」è「賃金の内訳」è「勤続給の決め方」)を参照願います。
勤続給関数の値を増減するための倍率。この画面では表示のみで、入力はできません。「勤続給関数の定義」で指定(選択)した倍率をここに自動転写します。
勤続給関数に関しては(「第3章 給与と賞与の計算」è「賃金の内訳」è「勤続給の決め方」)を参照願います。
考課給に関しては(「第3章 給与と賞与の計算」è「賃金の内訳」è「考課給の決め方」)を参照願います。
賞与に関しては(「第3章 給与と賞与の計算」è「賃金の内訳」è「賞与の決め方」)を参照願います。
「役員賞与対象および社員区分役員賞与係数」は、「賞与対象および社員区分賞与係数」と同様の考え方で、役員の「役員賞与」(ボーナスではない)に関する項目です。役員賞与は、商法または税法上、経費計上できる勘定科目ではなく、あくまで税引き後利益からの利益処分案として勘定するものです。従って、役員賞与額は、株主総会の決議事項でありますので、人財管理システムで事前に設定や登録をすることは本来的には馴染みませんが、ここでは係数だけを事前に設定し、その方式を株主総会で決議、了承されれば、その後は半自動的に容易に計算することが可能なようにできます。具体的な計算手順は、お客様により千差万別ですので、ここでは、係数だけを記録し、実際の運用は、(外部出力などで別ファイルにして出すなどして)別システムで行うのが適当であると判断致します。
定着率分母に関しては(「第3章 給与と賞与の計算」è「従業員および役員のカテゴライズ」è「社員区分の基本」è「定着率分母」)と、(「第3章 給与と賞与の計算」è「賃金の内訳」è「賞与の決め方」)を参照願います。
「職能格」を利用する場合で、当該社員区分に職能格を付与できるか否かを規定します。人事異動記録で、誤って「職能格付与の対象とならない社員区分」に職能格を付与すると、入力チェックでエラーとして除外されます。
「職位」を利用する場合で、当該社員区分に職位を付与できるか否かを規定します。人事異動記録で、誤って「職位付与の対象とならない社員区分」に職位を付与すると、入力チェックでエラーとして除外されます。
「定年適用」(チェックボックス=On)は、当該社員区分に定年を適用するか否かを規定します。一般に、正社員には定年があり、契約社員にはありません。定年を適用する社員区分は定年処理(定年退職金計算など)が可能です。
「定年適用」を指定した社員区分の場合は、その定年の年齢を規定します。一般には60歳ですが、社員区分ごとに変えることも可能です。
「退職金対象」(チェックボックス=On)は、当該社員区分の社員が退職した場合に退職金を支給する場合に指定します。
「既定職能格」は、人事異動記録の入力や更新で、当該社員区分を対象として初めて入力や更新をした場合で、特に指定しない場合に、システムが自動的に割り当てる職能格を規定します。その必要がない場合は指定しません。
尚、以降、社員区分の各規定で「既定○○○」という項目は、全て、これと同様の考えで設定するものです。
「既定職位」は、人事異動記録の入力や更新で、当該社員区分を対象として初めて入力や更新をした場合で、特に指定しない場合に、システムが自動的に割り当てる職位を規定します。その必要がない場合は指定しません。
「既定職種」は、人事異動記録の入力や更新で、当該社員区分を対象として初めて入力や更新をした場合で、特に指定しない場合に、システムが自動的に割り当てる職種を規定します。その必要がない場合は指定しません。
一般に、取締役の場合などは、職種は「経営全般の管理」ということで、一律に決まる場合が多く、この既定職種を利用できます。
「既定部門機能」は、人事異動記録の入力や更新で、当該社員区分を対象として初めて入力や更新をした場合で、特に指定しない場合に、システムが自動的に割り当てる部門機能を規定します。その必要がない場合は指定しません。
一般に、常務以上の取締役の場合などは、職種は「本社」ということで、一律に決まる場合が多く、この既定部門機能を利用できます。
「既定勤務時間形態」は、「固定時間制」、「夜勤隔日固定時間制」、「自由裁量制(コアタイム有り)」、「自由裁量制(コアタイムなし)」の4つの形態があります。人事異動記録の入力や更新で、当該社員区分を対象として初めて入力や更新をした場合で、特に指定しない場合に、システムが自動的に割り当てる勤務時間形態を規定します。その必要がない場合は指定しません。
一般に、タイムカードを押す必要のある場合や勤務時間帯が規定されている社員区分の場合は必要です。
「既定通常日約定勤務時間」は、人事異動記録の入力や更新で、当該社員区分を対象として初めて入力や更新をした場合で、特に指定しない場合に、システムが自動的に割り当てる通常日約定勤務時間を規定します。その必要がない場合は指定しません。
一般に、タイムカードを押す必要のある場合や勤務時間帯を規定している社員区分の場合は必要です。
数値は時間ですが、端数の分は10進数で指定します。
「既定月間約定勤務時間」は、人事異動記録の入力や更新で、当該社員区分を対象として初めて入力や更新をした場合で、特に指定しない場合に、システムが自動的に割り当てる月間約定勤務時間を規定します。その必要がない場合は指定しません。
一般に、タイムカードを押す必要のある場合や勤務時間帯を規定している社員区分の場合は必要です。
数値は時間ですが、端数の分は10進数で指定します。
「メンバー構成」は、構成1から構成9まであります。メンバー構成は、いくつかの社員区分をお客様が同時に管理したいグループにまとめることが出来ます。例えば、正社員の社員区分が3つあったとすると、その社員区分全部のメンバー構成1をOnにすれば、「社員区分メンバー構成1」は「正社員」のグループである、と定義できます。また、正社員と平取締役の社員区分のグループをメンバー構成2とすれば「定年あり」のグループと定義することも出来ます。どの組合せが業務上どういう意味かは、お客様が「メンバー構成説明登録」(ボタン)の画面で定義(説明記述)することが出来ます。この説明記述は単なるメモ情報で、人事の論理や処理手順に何らの影響も与えません。
このメンバー構成登録は、各種のスキル、免許、資格手当を登録する場合に、その手当の支給対象となる社員区分の範囲を規定する場合に利用します。例えば、スキル手当は一般従業員(の社員区分)には支給するが、役員待遇(の社員区分)の者には支給しない、という場合に利用できます。
尚、以降、この章で説明する「○○メンバー構成」とある項目は、全て、この社員区分メンバー構成と同様の考えで設定するものです。
「属性」は、メンバー構成の場合と同様に、社員区分の違いにより管理を区別する目的で用意したものですが、利用の仕方は完全にお客様に任せるようにした項目です。従って、当システムの内部で、この項目を利用した部分はありません。お客様が、お客様独自の印(社員区分の分類に利用する)をつけ、当画面を外部出力して、別のシステムで利用することを想定しております。
属性は属性1と属性2が用意してあり、それぞれにお客様が使用したい任意の1文字を登録できます。その文字が何を意味するかはお客様が独自に定義することになります。
属性の入力域をダブル・クリックすると、属性の意味を定義(説明記述)する画面が出ますので、そこに登録します。
尚、以降、この章で説明する「属性」とある項目は、全て、この社員区分の属性と同様の考えで設定するものです。
「勤務時間チェック」(チェックボックス=On)は、人事異動記録で、勤務時間の入力があるか否かをチェックします。ない場合は入力チェックでエラーとなります。一般に、タイムカードを押す必要のある場合や勤務時間帯を規定している社員区分の場合は必要です。
「組織コードチェック」(チェックボックス=On)は、人事異動記録で、組織コードの入力があるか否かをチェックします。ない場合は入力チェックでエラーとなります。組織分類を厳密に行っている組織では必要です。
「職能格コード」には次の項目がありますが、その全てが、社員区分の説明と同様です。社員区分にある説明文の「社員区分」とある部分を「職能格」と読み替えて解釈すれば全く同義となりますので、社員区分の説明のそれぞれの項目名が対応する部分を参照して下さい。
l 職能格コード
l 職能格名
l 職能格説明
l 考課給対象および職能格考課給係数
l 賞与対象および職能格賞与係数
l 役員賞与対象および職能格役員賞与係数
l 職能格メンバー構成
l 職能格属性
「職位コード」には次の項目がありますが、その全てが、社員区分の説明と同様です。社員区分にある説明文の「社員区分」とある部分を「職位」と読み替えて解釈すれば全く同義となりますので、社員区分の説明のそれぞれの項目名が対応する部分を参照して下さい。
l 職位コード
l 職位名
l 職位説明
l 考課給対象および職位考課給係数
l 賞与対象および職位賞与係数
l 役員賞与対象および職位役員賞与係数
l 職位メンバー構成
l 職位属性
「ライン」(チェックボックス=On)は、当該職位が指揮系の管理者である場合に指定します。ラインである職位を持つ社員は、組織展開表においてもラインとして位置付ける必要があります。
「職種コード」には次の項目がありますが、その全てが、社員区分の説明と同様です。社員区分にある説明文の「社員区分」とある部分を「職種」と読み替えて解釈すれば全く同義となりますので、社員区分の説明のそれぞれの項目名が対応する部分を参照して下さい。
l 職種コード
l 職種名
l 職種説明
l 考課給対象および職種考課給係数
l 賞与対象および職種賞与係数
l 職種メンバー構成
l 職種属性
「部門機能コード」には次の基本項目(社員区分と同様のため説明は除外)とその他の項目があります。
l 部門機能コード
l 部門機能名
l 部門機能説明
l 部門機能メンバー構成
l 部門機能属性
「既定就業開始時刻」は、その部門での就業開始の時刻を規定します。人事異動記録の入力や更新で、当該部門機能を対象として初めて入力や更新をした場合で、特に指定しない場合に、システムが自動的に割り当てる既定就業開始時刻を規定します。その必要がない場合は指定しません。
一般に、タイムカードを押す必要のある場合や勤務時間帯を規定している部門の場合は必要です。
「既定就業終了時刻」は「既定就業開始時刻」と対で存在する項目で、その部門での就業終了の時刻を規定します
「地区ID」は「地区名」を特定するための便宜的数値で、数字そのものには意味はありません。社員の勤務地域により、待遇(寒冷地手当なでの)が違う場合などに、社員異動記録に勤務地区を記録するのに利用します。
「地区コード」は、郵便番号の上3桁を利用していますが、郵便番号としては使用しません。地区名とは一対一にはなっていません。また、この地区コードは、登録画面上で地区名の区別のためにのみ使用し,他の画面では利用しません。
郵便番号簿を利用した地区の名称。郵便番号には利用しません。
「地区手当」は、その地域の勤務の社員に手当を支給する場合は「あり」、ない場合は「なし」となります。「地区ID」の登録こそあるものの、他システムでの利用を前提に当システムでは利用していない場合などは「無関係」として下さい。
「社員区分メンバー構成」と同様であるので、「社員区分」を「地区」と読み替えて、そちらを参照願います。
「社員区分属性」と同様であるので、「社員区分」を「地区」と読み替えて、そちらを参照願います。
「手当コード」には次の基本項目(社員区分と同様のため説明は除外)とその他の項目があります。
l 詳細項目コード
l 詳細項目名
l 詳細手当説明
「種類コード」は手当の大分類コードです。システムで規定してあるものと、お客様が自由に登録するものに分れます。
「種類名」は手当の大分類の名称を登録します。
「毎月定額支給」(チェックボックス=On)は、その手当額が毎月、給与の一部として支払う種類の場合に指定します。(当システムでは直接の利用はしない。別システムが利用することを想定)
「給与明細単独項目」(チェックボックス=On)は、その手当額を別の手当額と合算することなく、独立の項目名をして給与明細に印字する場合に指定します。(当システムでは直接の利用はしない。別システムが利用することを想定)
「同一種排他グループID」は、同一の種類のスキルや免許や資格で、上下関係のある場合に、下に属するものを排除し、上に属するものだけを取り上げるための方策です。例えば、情報処理資格に社内の資格手当があるとします。情報処理(二種)が月\10,000-の手当で、情報処理(特種)は月\30,000-とします。一般に、「特種」の保持者は「二種」も持っている場合が多く、この場合に「特種」と「二種」をあわせて月\40,000-の資格手当を支給する、という訳にはいきません。このように、同一種類の下位のものは、自動的に排除する必要があることから、このIDは、当該手当の同一種排他グループIDと排除すべき相手の同一種排他グループIDに「同一の値」を指定します。システムは「同一ID」の詳細項目コードを探し出し、互いに排他的になるように下位のものを排除します。同一種排他グループIDの値は、他と同値でないなら任意ですが、種類コードと詳細項目コードを連結したコードにすると管理しやすくなります。
「メンバー構成の指定」は、メンバー構成の定義がそうであるように、当該手当の支給対象となるカテゴリの範囲を規定します。カテゴリは、社員区分、職能格、職位、職種、部門機能、地区の六つです。
それぞれのカテゴリの内、どの区分の範囲に当該手当を支給するかは、お客様が各カテゴリの登録で事前に設定した「メンバー構成」の「番号」を指定することで規定します。
ある特定の手当に対して複数のカテゴリの範囲を規定した場合(例として、社員区分と職能格とすると)、このカテゴリ間の範囲の条件は「AND条件」になります。つまり、社員区分と職能格の、二つのカテゴリの範囲が同時に一致する社員のみがその手当の支給対象になるということです。従って、一つの手当に対して対象カテゴリを無闇に増やしますと、全てのカテゴリ範囲が同時に一致するケース(社員)は極端に少なくなり、場合によっては組合せが存在しないこともありますので、注意を要します。
手当支給の対象を限定しない場合は、メンバー構成の番号はゼロ(無関係)とします。
各カテゴリのメンバー番号の入力域をダブル・クリックすると参照のためにそのカテゴリの登録画面(読み取り専用)を表示します。
「賞罰コード」には次の基本項目(社員区分と同様のため説明は除外)とその他の項目があります。
l 賞罰コード
l 賞罰名
l 賞罰説明
尚、賞罰コード関連の係数類は、当システム内では社員賞罰記録以外には直接には利用しておりません。各社員に対する賞罰記録はそのままの形で利用できますが、その結果を直接、考課給や賞与の査定に連動するようにはしておりません。各社員の賞罰記録をどのように加工し、最終的に社員の人事考課にいかに反映させるかは、その記録を一旦外部出力などして別のシステムで行うことになる、と想定しております。
「賞罰ポイント」は、賞罰の大きさをポイントで表したものです。プラス(賞)・マイナス(罰)の数値で表します。5点満点でも100点満点でも1000点満点でも構いません。当然ながら賞罰の内容が大きいほど、その絶対値は大きくなります。加点主義で行う場合は、一般に「賞」のプラス満点は大きく、「罰」のマイナス満点は(絶対値を)小さくするべきです。減点主義の場合は逆になります。
「賞罰償却年数」は、経理での「減価償却(定額法)」の「償却年数」と全く同じ考えのものです。「賞罰共に『償却』があって然るべき」、との基本概念から出た社員の評価手法です(例えば20年も前の罰を定年まで引きずって評価する、というのはモラールダウンにつながり、社員本人にも会社にも得にはなりません)。賞罰の内容が良い場合も悪い場合も、その度合いが大きいほど年数も長くなります。例えば、部長賞なら5年でも社長賞は10年、といった具合です。加点主義で行う場合は、一般に「賞」はその年数を長く、「罰」は短くするべきです。減点主義の場合は逆になります。
償却の対象にしない場合は99を指定します。ただし、一般的には、経理の原則と同様に、時間経過にともない「評価」は減価(風化)する傾向にありますので、「償却しない」という決定は「相当に価値があり、後年になるほどその価値がむしろ増大するかもしれない」という高いレベルの賞に対して行うべきもので、慎重に行う必要があります。罰に対して「償却しない」という規定は推奨できません。もしそれが実態であるならば、当該罰は「解雇」に相当させるほうが妥当であり、記録すること自体が「人財管理」の目的に馴染まない印象があります。
「賞罰償却後残存%」も、経理での「定額法減価償却」の「残存価額」(賞罰では「残存ポイント」とする)の割合と全く同一の考えです。この分は何年経過しても「償却できない分」として残存します。賞罰ポイントに対するパーセンテージで表します。一般には5%や10%を用います。20%以上の値は入力できません。賞罰の内容が大きいほど、この値も大きくなる傾向があります。内容がそれほどでもない賞罰の場合はゼロとします。
ここでは、当システムでの賞罰の減価(減点)償却手順を説明します。基本は経理での減価償却(定額法)の原則と同一です。人事考課で重要なのは、考課する時点での「償却後の現在ポイント」です。これは経理での「時価(残存簿価)」に相当します。計算式は次のとおりです。
「残存ポイント」=(「賞罰ポイント」×「賞罰償却後残存%」÷100)
とし、
「償却後の現在ポイント」
=(「賞罰ポイント」−「残存ポイント」)×(1−「経過年数」÷[賞罰償却年数])+「残存ポイント」
となります。
ここで、「経過年数」は、年単位で端数は少数1桁以上算出し、端数処理は任意とします。また計算過程での端数処理も同様とします。
異動コードには次の基本項目(社員区分と同様のため説明は除外)があります。
l 異動区分コード
l 異動区分名
l 異動区分説明
株主グループに対する番号。一般に100,200,300、・・・という付け方をします。
株主グループに対するグループ名です。同族企業の場合などは、一般に創業者一族の家の名前になります。サンプルでは「諏訪グループ」「野崎グループ」などとなっております。
株主グループ順位は、各株主グループの持ち株比率の順位となります。この記録は単なるメモに相当致しますので、その数値が、その後の処理に影響を与えるということはありません。その扱いに関することは、お客様に任されております。
株主区分コードには次の基本項目(社員区分と同様のため説明は除外)があります。
l 株主区分コード
l 株主区分名
l 株主区分説明
l 株主区分考課係数
l 株主区分役員賞与係数
次の基本項目(社員区分と同様のため説明は除外)とその他の項目があります。
そもそも「株主社員名簿」は、人財管理システムの目的からは多少はずれた管理項目になります。しかしながら、日本の中小、中堅企業では、株主が経営も兼ねている場合が非常に多く、また、従業員の中にも株主社員がいるなど、実態としては株主社員を管理する必要があります。ただし、株主に係る金銭的(配当など)処理は、株主総会の決議事項であるので人財管理システム内だけの管理に委ねることは出来ません。
従って、株主社員名簿の記録は単なるメモ記録となっており、当システム内でのその後の処理に何らの影響はありません。株主関連の処理は、基本的には、記録を外部出力などして別システムが行うべきものとして想定しております。
株主番号は、株主個人(法人)に与える番号です。
株主の名称とふりなが。
株主が所属する株主グループの番号。
株主が所有する当組織の株式数。配当計算の時に利用できます。
上記支配株式の全体に対する所有比率。配当計算の時に利用できます。
各株主グループ内での権力順位。
株主が社員である場合の、当システムでの社員番号。
住所、連絡先、最終名義書換年月日などがあります。
「基本コード」は、人財管理システムにおける基本的なコードで、お客様の都合で変更する可能性の少ない部類のものですが、お客様の都合で修正や追加は可能となっております。
社員の家族構成を記録する場合の家族コード。納税での扶養家族控除に利用できます。また、家族構成に応じた、福利厚生の施策の基礎データにも利用できます。
l 続柄コード
(ア) 3桁の数値
l 続柄名
(ア) 「長男」や「祖母」などの続柄名
l 扶養家族手当対象(チェックボックス)
(ア) お客様の福利厚生で、扶養家族手当を支給する場合はOnにする
社員の学歴を記録する場合の学歴コード。年齢学歴給を計算する場合の基本コード。
l 学歴コード
(ア) 3桁の数字
(イ) 「−1」の場合は、学歴を無視する場合のコード。
l 学歴名
(ア) 学歴の名称
(イ) 「−1」は”適用外”の表示になる。
l 給与ポイント基準採用
(ア) 当システムでの正社員年齢学歴給での「学歴」として単独で採用する場合にOnとする。
l 卒業時最低年齢
(ア) 当該学歴を適用する場合の最低年齢。これ以下の年齢の場合は、当学歴を認めない。
l 情況コード
(ア) 障害情況コード
(イ) 二桁の数字
l 情況名
(ア) 障害情況の名称
l 国籍ID
(ア) 二桁の数字
l 国籍名
(ア) 国籍の名称
l 後姓
(ア) 当該国籍の場合で、社員の家族名が個人名の後にくる場合はOnとする。
(イ)
いわゆる西欧文化圏の姓名がこれに相当する。
(例1:「ジョン レノン」、レノンは後姓。例2:「オノ ヨーコ」の場合は、オノは前姓。)
l 言語ID
(ア) 二桁の数字
l 言語名
(ア) 言語の名称
(イ) 方言も可能
l 住所区分コード
(ア) 二桁の数字
l 住所区分名
(ア) 住所区分名(本籍、現住所、別宅、療養所、英文名など)
l 住所区分説明
(ア) 住所区分の説明
l isAlpahbet
(ア) 住所区分名がアルファベット(英文など)の場合はOn。
l データ記録属性
(ア) 時系列連続
@ 本籍の場合のように、前回と今回の名称が時系列で連続する必要があり、かつ、並存期間がありえない種類のもの。
(イ) 時系列不連続
@ 療養所のように、途中で使用を中断したり、また再度使用を再開したりするなど、不連続でも構わないもので、並存しないもの。
(ウ) 並存可能
@ 別荘などのように複数のものが時間的に並行して存在してもよいもの。
l 姓名区分コード
(ア) 二桁の数字
l 姓名区分名
(ア) 姓名区分名(戸籍名、ペンネーム、旧姓、英文名など)
l 姓名区分説明
(ア) 姓名区分の説明
l isAlpahbet
(ア) 姓名区分名がアルファベット(外国人名やパスポート名など英文のもの)の場合はOn。
l データ記録属性
(ア) 時系列連続
@ 戸籍名の場合のように、前回と今回の名称が時系列で連続する必要があり、かつ、並存期間がありえない種類のもの。
(イ) 時系列不連続
@ ペンネームのように、途中で使用を中断したり、また再度使用を再開したりするなど、不連続でも構わないもので、並存しないもの。
(ウ) 並存可能
@ あだなや通称などのように複数のものが時間的に並行して存在してもよいもの。
「地域ID簿」は旧郵便番号簿そのものですが、郵便番号として利用することはありません。あくまで「地区ID」の元データとして利用するに留まります。
l ID
(ア) 一意となる数字
l 郵便番号
(ア) 郵便番号の上3桁
l 地域名
(ア) 地域名(旧郵便番号簿からの転写)